街から始める鳥獣対策

鹿肉・猪肉商品を販売する、鹿児島県曽於市財部町はたからべ森の学校を伺う その1

鹿肉・猪肉商品を販売する、鹿児島県曽於市財部町はたからべ森の学校を伺う その1

すべては四本先生の一言から始まったといいます。

「有害鳥獣による駆除とはいえ、命をいただくものだから、そのまま埋設されるのは可愛そうだ。何か活路はないものか」

もともとは廃校となった財部北中学校を跡地活用し、事業展開していた有限会社サイバーウェーブの小野さん。当時から学校付近に出没していた猪の出没跡などからもその存在は認識していたそうです。

財部北中学校跡地
財部北中学校跡地

廃校跡を『たからべ森の学校』とし、職業訓練施設などとして活用を始めたおり、冒頭四本先生からの話が耳に入ります。財部町では年々有害鳥獣による被害数が多くなり、そのため駆除を進めていかなければならない状況の中、しかし曽於市には野生鳥獣用の食肉解体処理施設がないことに気が付きます。

猪や鹿などの肉の販売には、従来の家畜用の施設とは異なる、野生鳥獣解体のために独自に衛生管理された施設が必要であり、施設の無い市町村では駆除された鳥獣は埋めて廃棄されるケースが多くを占めています。

曽於市にも解体処理施設を

有害鳥獣として指定された動物を駆除すると、市などから報奨金が出ます。しかし作業に見合う額ではないため、猟師を繋ぎ止めたり、新規加入者を促すような魅力がありません。しかし市内に解体処理施設があれば、そこで猪や鹿を買い取ってもらうことが出来るため、猟師の収入が増えます。また、食肉として利用できる量が増えるため、地域に貢献できるのではと小野さんは考えました。

有限会社サイバーウェーブの小野さん
有限会社サイバーウェーブの小野さん

曽於市にも是非施設が欲しい、そのための研究として小野さんは、鹿児島県内にある食肉解体処理施設の見学に行きます。しかしそこで見たものは、思い描いたビジョンとは少し様相が違ったと言います。

確かに有害鳥獣として持ち込まれ、猟師さんから買い取る事実には違いはないのだが、そこで生産された食肉が流通に乗り切らずダブついていたのです。

これは、問題の箇所が変わっただけで本質的に解決していない。せっかく買い取った野生鳥獣を食肉として加工しても、流通に乗らずに赤字になってしまえば本末転倒である。

そこで小野さんは流通に対して貢献する道を模索し始めます。解体処理施設の有無とは別方向のアプローチが必要なのではないか? 販売を行い、お客様の口に入り、初めてそこがゴールとなる。そのために必要な仕掛けは何なのか。

たか森カフェでのジビエ料理の提供へ

堀内さん(現財の森代表)は、たからべ森の学校の開校当時から、サイバーウェーブの社員として、小野さんと一緒に仕事をしており、また財部北中学校が出身校であり、地元のためにできる事であれば協力したい、という思いもあったそうで、四本先生づてで財部町の現状を理解している一人でもありました。

そこで上記小野さんの直面している問題に対し、たからべ森の学校内にある元職員室を改装したカフェ『たか森カフェ』の設立へ話が広がっていったそうです。

たか森カフェで仕込みを行う堀内さん
たか森カフェで仕込みを行う堀内さん

しかし堀内さんはもともとジビエに苦手意識を持っていたらしく、当初は戸惑ったと言います。しかし四本先生の持ち込んだお肉が、思いのほか美味であった経験を経て、これならやってみたい! と一念発起したそうです。

むしろ苦手意識のあった自身だからこそ、「ジビエは美味しい!」と心からお客様に伝えらることができ、またお客様からの反応が嬉しいのだと伺いました。

次回、四本先生のインタビューを掲載します。

カテゴリー: ジビエグルメ   鳥獣トラブル  
ライター:島田寿朗

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