街から始める鳥獣対策

財の森(たからのもり)プロジェクト「高級ジビエ加工商品販売」の取り組み

財の森(たからのもり)プロジェクト「高級ジビエ加工商品販売」の取り組み

財の森(たからのもり)プロジェクト「高級ジビエ加工商品販売」の取り組みとしてご活躍中の、合同会社財の森の堀内加奈子様より寄稿いただきましたので、以下掲載します。

このプロジェクトは、鹿児島県曽於市財部町にある旧財部北中学校(2012年に閉校:現在たからべ森の学校として活用)で、約40年前に理科の教諭として勤務していた四本廣幸先生の一言から始まりました。

四本廣幸先生
四本廣幸先生

四本先生は定年退職後、自分の故郷(鹿児島県霧島市永水)に戻ると、有害鳥獣による農作物の被害の多さに驚き、このままではいけない、自分がやらなければと、狩猟免許を取得し狩猟を始めました。

しかしせっかく狩猟免許を取っても、猟の仕方を教えてくれるところがなく、やり方も分からないままに、せいぜい捕れても年に1〜2頭。それでも農産物の有害鳥獣被害は年々拡大していき、鳥獣被害による駆除要請が来ると、猟をしない訳にはいかず、徐々に自宅の冷凍庫が捕獲した鹿肉や猪肉でいっぱいになりはじめました。知人に分けたりしても処理が追いつきません。しかしいくら有害鳥獣とはいえ「大切な命」である。なにか活路はないものか。

この四本先生の話に感銘を受け、私は「財の森プロジェクト」をスタートしました。

狩猟の後継者不足による育成への注力も大切な問題ですが、もう一つの課題として、狩猟した後に問題があると私は考えました。農産物被害防止のために狩猟は必要だが、猟をした後の肉の処理に困り、多くの狩猟者は鹿や猪を狩猟後、そのまま山に埋めてしまっているというのが現状です。

年々、増加している有害鳥獣による農業被害。農林水産省の調査によると、2016年度に全国で捕獲されたシカとイノシシは計約120万頭で、農業被害額は100億円を超えるという統計調査があります。

これらの対策として、国の支援を受けて処理加工施設の数は全国で増加傾向にあるものの、捕獲量に占めるジビエ(食肉として活用)の割合は1割にも満たないのが現状です。ジビエは食肉として生肉での流通が中心となっており、一般家庭の人たちは、どのように調理してよいか分からないのです。家畜と異なり、鹿肉・猪肉は個体差も大きく、調理次第では味に大きな影響を与え、結果として、好んで食べてもらえないのです。

そこで私は、生肉としての流通には限界があると捉え、誰でも自宅で簡単に調理できる加工商品を開発することで、もっと気軽にジビエ料理を食べて欲しいと考えています。

もともと日本では古くから、食用として家畜を育てる習慣が少なく、狩猟で得た鹿や猪の肉を食べていたと言われています。その観点でもジビエ肉は、低カロリー・高タンパク質の食材として女性やシニア世代に魅力ある商品となる可能性を秘めていると考えています。

私が調理師として料理を提供している「たからべ森の学校」内にある、元職員室を改装した「たか森カフェ」の人気メニュー「大人の贅沢ジビエバーガー」で使用しているパティは、鹿肉と猪肉の合挽き肉を使用しています。クセが少なく、お肉の旨味を感じることができる一品で、お客様からは、「普段食べている牛肉の方がクセを感じるぐらい、このバーガーはお肉の旨味を感じることができる。」と評価をいただいております。

ジビエバーガー
ジビエバーガー

私は、ジビエ料理が一般家庭まで広く普及することで、有害鳥獣被害の対策にも繋がると期待しています。また、社会問題となっている有害鳥獣被害についても、きちんと情報発信していきます。「狩猟体験 + ジビエ料理 = 社会貢献活動につながる」商品として、ふるさと納税や罠オーナー制度、狩猟体験プランの企画等についても検討していきます。

最後に、私は、地域の今の形を大きく変えることなく、地域の課題を解決したいと思い、財の森プロジェクトをスタートしました。地方と都会の人の交流を一番の目的として、単に商品・サービスの売り買いだけの関係ではなく、「人の想い」が伝わる商売をしたいと考えております。結果として、地域に貢献することができると嬉しいです。

合同会社財の森
代表社員 堀内 加奈子

カテゴリー: .Wanna!プロジェクト  

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