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ジビエに合う酒を探して – モルトウイスキーと猪・ハクビシンジャーキー編 その2

ジビエに合う酒を探して – モルトウイスキーと猪・ハクビシンジャーキー編 その2

前回の続きです。

さて、具体的な行き先は聞いてなかったんですが、というか、モルトを相当種持ってきてくれる、ということ以外はほとんど覚えておらず、当日はただ車で後を付いていくだけの往路となりました。

そして到着間際になったころ、なにやら周囲のハイソ具合に気が付きました。やんごとなきエントランス、安藤忠雄とミキモトを足したような外壁(語彙不足)、その名もホテルキーフォレスト北杜。外観がもうアレだ。宿泊者のランクを強制的にレベルアップさせる系だ。

ホテルキーフォレスト北杜のエントランス

聞けばこのホテルはオールドモルトをテイスティングさせてくれるバーを併設しており、その保有数も相当なものだとか、壁一面にディスプレイされていた。今回誘っていただいたマサ氏も、そのコレクションに感銘してお気に入りになったのだとか。

壁一面に並んだモルトコレクション

なんというか場違い感しかないが、せっかくのお誘いですし開き直ることにします。こと謙虚さにかけては定評のある私です、謹んでお受け致します。満喫ゥ! 満喫ゥ!

だがなにせ本題を忘れてはいけません。前回も書いたとおり、イノシシとハクビシンのジビエジャーキーを肴に、マッチするモルトはどれなのか。そのために会合に足を運んだと言っても過言ではなく。

左がイノシシ、右がハクビシンのジャーキー
左がイノシシ、右がハクビシン

なんと60本ものモルトを持ち込んでくれたらしく、しかしその本数をテイスティングしていくのは現実的ではないので、珠玉の10本をセレクトすることにした。とことん偏見に基づいた選抜です。異論は認めない。

モルトに五体投地の図
とりあえず五体投地の図

順に紹介します。

1本目:イチローズモルト ワインウッドリザーブ 2本目:アデルフィ カリラ13年 1本目:イチローズモルト ワインウッドリザーブ
2本目:アデルフィ カリラ13年

3本目:クラダック カスク・ストレングス 4本目:アデルフィ ファスカデール14年 3本目:クラダック カスク・ストレングス
4本目:アデルフィ ファスカデール14年

5本目:アデルフィ ボウモア23年 6本目:グレンファークラス25年 5本目:アデルフィ ボウモア23年
6本目:グレンファークラス25年

7本目:アデルフィ グレンモレイ10年 8本目:モリソン&マッカイ グレンロセス2006 7本目:アデルフィ グレンモレイ10年
8本目:モリソン&マッカイ グレンロセス2006

9本目:ケイデンヘッド グレンロセス22年 10本目:サントリー 響 9本目:ケイデンヘッド グレンロセス22年
10本目:サントリー 響

値段やレア度を知りたい方は是非商品名でググってください。60本の中から選び出すだけで1時間くらいかかったよ。

しかしこのままでは主導権をすべてもっていかれてしまう。宿泊所にモルトに、もてなされすぎて自分の居場所が小さくなってしまう。

私も男ですし、プライドありますし、少しでもイニシアチブをアピールしとかないと全部もっていかれてしまいますし。なんとか楔だけは打っておきたい。そうだ、狩猟具を見せつけてやろう。

すげぇ! 島田さんカッコイイ! ハラショー! とか思わせてやりたい。

車中に常備している皮剥ぎと骨スキを持ち込み、見せびらかしてみる。いかに現場がシビアで、それなりの苦労を経て口に入る状態に加工しているか。道具の説明をしながら、現場の雰囲気を伝えていく。

 

「これで皮を剥いてですね・・・これで肉を骨から外すんです」

狩猟具をマサ氏にアピールしてみるが
自慢を聞いてくれるマサ氏

結論。

狩猟具にほとんど興味ナシ

はい、主導権すべて委譲します。

ともあれ、試飲のために注いでもらいます。なんとテイスティング用のショットグラスも持参いただき、至れり尽くせり、もう罠でも良い

テイスティンググラスに注いでくれるマサ氏
テイスティンググラスに注いでくれるマサ氏
珠玉のモルトセレクトショット
珠玉のセレクトショット

盤面は整った! いざ探求の旅へ!

盤面は整った!

テイストを忘れないようにメモを取りながら進める。なにせほとんどがカスクストレングスの度数(55%前後)なので、一回一回のリセットを慎重に。
メモを取りながら感想を書いていく

あ、水割りにするとかそういう考えはありません。あくまで生の状態で合うものを探していきます。

飲む
モルトとジビエのテイスティングをする図その1

飲む
モルトとジビエのテイスティングをする図その2

メモる
テイスティングをメモしている図

はい、早めに結論を出さないと舌がガバってくるので、出します。結論。

どれも合いませんでした。

これはもう仕方がない。嘘は言えないので正直に書くしかない。でも決して相性が悪いわけではなく、どうしてもモルトの方が主張が強く、ましてやカスクストレングスを受け止めきれる食材ではなくて、ジビエが負けてしまうんです。ある意味チョコレートやシガークラスのパンチじゃないとマリアージュが発生しない。

いやしかしなぁ、これだけ持ってきてくれたのにこの残念な結果はなぁ、と少しやさぐれていたのです。セレクトした10本はさておき、せっかくなので他のボトルに手を出しはじめ、なんなら60本ぜんぶいったらあ! 的な旅路への最中。

おっ! これ! 合うじゃん! ヘウレーカ!

見つけました! その名もニッカのセッション!

ニッカのセッション!

つい先日発売と同時に高騰して話題になったニッカの新商品で、さすがセッションの名を冠しているだけあって。多分食材との意味合いではないんだろうけど、43度の優しい変化に富んだファーストテイストが、ジビエの味と融合してくれました。

来ていた方たちも総意でコレだね、ということになり終着しました。いや、よかった。せっかくお誘いいただいたのに、プラスな結果を残せなくなるところでした。

ちなみにジビエジャーキーはどちらも好評で、特にハクビシンに関しては皆さん、ウマいじゃん! ウマいじゃん! と箸が進んでいたようで何よりな結果となりました。

しかしハクビシンは食性において味の差があり、特に果樹園近くに生息している個体は肉の味が大きく違うとか。私の近隣には果樹園やフルーツの木はなく、おそらくそれほど美味な個体ではないと推測されます。伝えてないけどね。いつかは出会ってみたい、果樹園近くのハクビシン。

予定通りマッチする一本を見つけたので、気が緩みました。その後はもう無責任の宴状態で、途中から記憶ございません。モルトの海に沈みました。

お誘いありがとうございました。次回は是非ワインで!(懲りてない

それではまた。

カテゴリー: ジビエグルメ  
ライター:島田寿朗

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