街から始める鳥獣対策

ジビエに合う酒を探して – モルトウイスキーと猪・ハクビシンジャーキー編 その1

ジビエに合う酒を探して – モルトウイスキーと猪・ハクビシンジャーキー編 その1
高級モルトウイスキーが飲み放題だと
おや、手元にハクビシンのロースが
自家製燻製ボックスといざ燻煙
温度コントローラーと電気コンロで温度管理
チップは桜にしよう
イノシシ&ハクビシンのジャーキー完成!

諸君、私はモルトが好きだ。

どのくらいのものかといえば、私の Appleのメールアドレスは “ラフロイグ10@mac.com”である。筋金入りのアップル信者感も出ているが、世界レベルでこのアドレスを先行取得しているのは慧眼だろうと自画自賛、チャールズ皇太子すら出し抜いた感ある。あ、変なメールは送ってこないでね。

高級モルトウイスキーが飲み放題だと

先日、お仕事を手伝わせていただいている方から以下メッセをいただきました。

匿名人物アイコン

○月○○日、△△ヴィラを全部屋貸し切ってます。ホテル代、ウィスキー代経費で出しますので島田さん来ませんか?

「は? は? (心の声」「ゆきます(超速タイピングで即答」

一瞬頭がバグったけど咄嗟に快諾返答した自分を褒めてあげたい。飲み放題だと? おごりだと? しかも街の安い居酒屋ではないのだ、私は知っている。この方は最近鬼のように高級酒を買い漁ってて、部屋ひとつを酒瓶で埋めてしまったくらいの猛者沼人(もさのぬまびと)だ。オールドモルトからインディペンデントまでなんでもこいの鬼コレクションが出来上がりつつあり、それらの上澄みを持ってきてくれるとのことだ。天国か。まさにエンジェルズ・シェア
冷凍庫が血まみれシシ肉で埋まっている私とはランクが違う。

確かにジビエ関連でお手伝いさせていただいているけど、身に余る待遇にもはや罠レベルの怪しいお誘いで、くくりか? 箱か? それとも違法上等のトラバサミか? など疑ってしまう。いや、奢ってもらえるお酒は大好きですが、なんなら一生奢り続けてもらいたいですが。やはり何かお返しをせねばソウルジェムが濁ってしまう。

おや、手元にハクビシンのロースが

ジビエ関連のお手伝いをしているので、やはりその方面で稀有なモノを提供したい。おや、そういえば昨日ハクビシンを仕留めて、どうやってロース肉を食べようか迷っていたのだ。ついでに年初のイノシシロースも開けちゃおう。ドン。

猪ロース(上)とハクビシンのロース(下)

当然だが下がハクビシン、上がイノシシ1歳オス、のロース。このイノシシは確か30kgくらいだったから小さい部類なんだけど、やはり大きさが段違い。

さてどうしよう。日程はまだ先なので、日持ちするものがよい。同じ味付けにして肉味の違いを楽しんでもらいたい。そうだ、ジャーキーを作りましょうそうしましょう。

燻製を作るにはまず一週間ほどソミュール液というものに肉を浸さなければならない。簡単に言うと「濃い塩の浸透圧で水分ぶんどれ、細菌ぶっ壊せウィルス構造許すまじ」的な下処理のことで、ついでに塩味も浸透させる。

ソミュール液に漬け込んでいるイノシシとハクビシンのロース肉

あ、ソミュール液のレシピとか丁寧に載せたりはしません。そもそもいい加減なモノなので、各々がググって調べるがよかろうなのすいません忘れただけです。塩と砂糖となんか適当にハーブ類。15%前後の塩水ならそれでいいと思う。浸かったら冷蔵庫に保管して一週間待つ。

一週間経ったので、ソミュール液から引き上げて次の処理をする。15%前後の塩水に一週間も漬かっていたので、当然滅茶苦茶塩辛い。それを抜くために、水に浸けて塩抜きの工程を施さなければいけない。コレが地味に難しい処理で、塩を抜きすぎてもキツすぎても駄目で。流水に浸すか普通にドボンと浸けるかで、だいぶ時間の変動がある。今回はドボン浸けを選択した。また、時間毎に端っこを切って味見するのだが、ジャーキーは仕上がり時に体積がぐっと縮むため、この段階で若干の薄味にしておかないと、完成の際に塩クドいものが出来上がってしまう。

塩抜き過程のイノシシとハクビシンのロース肉

経験上、2時間くらいは大丈夫だと感じたのでタイマーかけて放置。その間に部屋の片付け、事務処理などしつつ時が流れるのを待つ。タイマーが鳴る、端っこを少し切り取って焼いて味見する。むう、まだ少し塩味がキツい、1時間延長。

合計3時間後、いい塩梅になったので猪ロースを薄切りにしていくが、ここにも重要なプロセスがある。必ずスライスした肉を常温 or 冷蔵庫でしっかり乾燥させること。カピカピにまではしなくていいけど、表面の水分は確実に飛ばさないと味の仕上がりが悪くなる。そのために大体1日くらい冷蔵庫に入れておく。以前にベーコン屋さんから伺ったことがあって、彼の表現では「濡れてると煙が入っていかない」とのこと。

イノシシロースのスライス

自家製燻製ボックスといざ燻煙

さて、一番楽しい工程の出番です。今回は 60℃で 7時間の温燻法でやっていく予定だけど、簡単に道具を紹介しようと思う。そんなDIY情報需要がないって? そんな事は知っている。

温度コントローラーと電気コンロで温度管理

燻製のキモは温度管理。つまり温度の変化で電源オンオフができて、熱源が電気駆動ならば、立派なサーモスタットが出来る、そう思って3年位前に自作した。箱は適当DIY、温度コントローラーはSTC-3000、電気コンロにSK-65S、そうしてできたのが以下ドン。箱上部に温度コントローラー、箱底部に電気コンロ。したたる汁がコンロを直撃しないよう、斜めに板を張っています。

自家製燻製ボックス
自家製燻製ボックス

めんどいので詳しい作り方は省く。

チップは桜にしよう

特にこだわりはないので、手元にあるチップを使っていく。ついでに以前使用したピート粉末も使う。モルトウイスキーもピーティーなのがほとんどなので相性も良いと思うし、ジビエとの味の立体交差が楽しみである。

燻製チップ用の桜と泥炭パウダー

オフになる温度を 60度に設定して、58度以下になったら再度オンになるよう設定する。

温度コントローラーのSTC-3000
STC-3000

スモークチップとピート粉末を乗せた鉄皿をセットし、肉を投入する。
あとは7時間待つだけ。罠の見回りでもして来よう。

燻製ボックスに肉を入れる図

イノシシ&ハクビシンのジャーキー完成!

ソシャゲしてたらあっという間に時間が過ぎ諸作業をこなしつつじっと待った 7時間、やっと完成しました。ほくほくカリカリ。70度を超えると肉が固くなりすぎるという話を聞いたことがあり、今回は時間を長めにして温度低めでの温燻だったけど、食感はいかがなものだろう。晴れ時々ジビエ日和、本日も命に感謝しつついただきます。

完成したイノシシとハクビシンのジャーキー

どれどれ・・・

イノシシジャーキーを食べてみる図

うむ・・・

むう・・・

イノシシジャーキーを噛みしめる図

すばらしい。イノシシは脂身が程よく、しゃおっとしててスパイシーで香ばしい。ハクビシンはしっかり噛みごたえのある赤身。ともすれば固い、という表現かもしれないが珍味の部類である。これはモルトとのコンビネーションが楽しみな味になってしまった。

その2へ続く。

カテゴリー: 狩猟の道   ジビエグルメ  
ライター:島田寿朗

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