街から始める鳥獣対策

猪の〇〇で作ったハンドクリームが至高なのである

猪の〇〇で作ったハンドクリームが至高なのである
まずは、猪の〇〇を用意します
そもそも、ハンドクリームを猪で作るってどういうこと?
その部位とは!?
うるつやハンドクリームの作り方
用意するもの
作り方
もったいないので、最後まで使いましょう
出来上がったラード・・・じゃなくてハンドクリームをつけてみましょう♪
今までに体験したことのないテクスチャー
わさび師さんの必須アイテム

まずは、猪の〇〇を用意します

そもそも、ハンドクリームを猪で作るってどういうこと?

伊豆の真ん中あたりで小学生ムスメと一緒に、罠猟で捕えたジビエを満喫している野田でございます。今日の夕ご飯は、低温調理でローストベニソン(ベニソン=鹿肉)でした。あ、猪前足の燻製も食べました。

さて、「ハンドクリーム」と「猪」という単語が同列に並んでいるところがおかしなハナシですが(笑)早速、作り方を紹介しますね♪

豚は猪を家畜化したのもだという事は比較的知られていますが、実は人と豚って医学的にも相似している点があるのはご存知ですか?豚の皮膚を人に移植するということは、実は既に実現していたりもするのです。

そんな人と近しい豚の起源は、そう! 猪です。細胞が近いという事は、肌なじみがすこぶる良いのです! もうお分かりですね。猪はハンドクリームに最適だという事が。

猪の脂肪の融点は28〜30℃という低さ。人間の体温よりも低いのです。ただ、今回使う部位はそれよりもう少しだけ融点が高めで、大体人肌と同じくらいの温度で溶け出します。なので、手に塗ったときにはスーっと抵抗なく広がっていくという訳です。

その部位とは!?

ウンチクはいいから、もったいぶらずにいい加減進めろというお叱りの声が聞こえてきそうなので、そろそろ答え合わせをば。

ハンドクリームに使うのは、猪の「内臓脂肪」です! じゃじゃ~ん♪
皆さんがよく見る、お肉の外側に厚く層になっている脂身ではなく、冬の寒い時期のみ、内臓を取り巻いている脂があるんです。知ってました? 私は自分で解体するようになって初めて見ました。

猪の内臓脂肪
猪の内臓脂肪

我がムスメも私も、獣の内臓を愛してやまない肉食女子ですので、当然解体をするときはお腹をぱかっと開けるところからスタートします。大好きな内臓を取り出す前に、お肉の内側についてる内臓脂肪をべりべりっと剥がします。これ、冬場にしかないものなので、捨てちゃうなんてもったいない! 余さず丁寧に剥がします。これが、うるつやの源なんです。今回は、隣町のハンターである島田さんが捕らえた猪の内臓脂肪を頂きました♪

うるつやハンドクリームの作り方

用意するもの

はい、では早速作っていきましょう。用意するものは、猪の内臓脂肪・鍋・水、コーヒーフィルター、以上です。あらお手軽♪

作り方

1. 内臓脂肪には薄い膜があるので、それを取り除きます。包丁でこそげるように脂の部分を剥がすと簡単です。

2. 膜が取れたら、テキトーな大きさにカットします。カットしなくても作れますが、小さくした方が早く脂が抽出できます。

3. 鍋にカットした脂とひたひたの水をいれ、中火にかけます。

猪の内臓脂肪を中火にかける

4. お湯が沸いてくると脂が溶けだしてきますが、アクも出てくるのでそれを丁寧に取り除きます。

ぐつぐつ脂を煮出します

5. お湯が沸いたら弱火にして、ひたすらぐつぐつ脂が出てくるのを待ちます。

6. 脂が表面にたまってきたら、すくってコーヒーフィルターで濾します。

コーヒーフィルターで濾します

7.容器に入れて、固まるのを待ちます。暖かい部屋だと固まらないので、冷蔵庫で冷やしてもOKです。(水分が混ざってしまっていても、一晩置いておくと水と分離するので大丈夫)

真っ白に固まる猪の内臓脂肪

これだけです。簡単です。でも、気の長さが必要です。焦って強火でやると焦げます。直に火にかけずにお湯の中で脂を取り出すのも、焦がさない為です。

あとはそのままだと、当然ですがまあまあ美味しい匂いがします。犬や猫に大人気です。下手をすると取り囲まれてべろべろに舐め尽くされます。獣の脂ですからね。彼らにモテたい場合はそのままでどうぞ。(我が家のチワワは食後のデザートとして嗜んでおります。) 犬猫にモテなくても良い場合は、香りを付けるのもおススメです。煮出すときに、ハーブを入れてぐつぐつしても良いですし、濾したものにお好みのアロマオイルを足しても良いです。途端に女子力高いお姉さんの香りになります。

もったいないので、最後まで使いましょう

お湯で煮出すと、脂は黄金色の美しい液体になります。固まると真っ白なクリームに。ですが、その状態では残った脂身がぷるんとしてまだまだ行けそうです。冬しかない貴重なブツなので、もちろん最後まで絞りつくしてやりましょう。

先ほどのお鍋を引き続き弱火でぐつぐつし続けるとそのうち水分がなくなってきますので、完全に水分を蒸発させます。更に加熱し続けるとどんどん脂身が薄く茶色くなって、肉カスの様な見た目になってきます。溶けた脂も褐色になってきます。このくらいになると、コーヒーフィルターでちまちま濾すのも面倒になってくるので、キッチンペーパーとザルでどかんと濾してしまってOKです。

冷やして出来上がったものは、もはや疑い様なく最上のラードと肉カスです。このラードで炒飯とか作った日にはもう・・・! 何なんですかね、あの旨さ。家庭内米不足不可避。普通の炒飯には戻れなくなってしまっても悪しからず。自己責任でお試しください。

出来上がったラード・・・じゃなくてハンドクリームをつけてみましょう♪

今までに体験したことのないテクスチャー

では、出来上がったハンドクリームをつけてみましょう。とろっと手に乗せたら、全体にのばして塗り込みます。びっくりするくらいすぐに溶けて広がります。クリームなのにオイルの様。なんじゃこりゃ! 塗った直後はかなりべたっとした感じです。こんなにべったりだと、しばらく何も触れないなぁ・・・と思っているうちに、おや? 染み込む染み込む! 気づいたらさらっとしています。なんじゃこりゃ!(2回目)

私、お料理の仕事もしているので手荒れとは長年のお付き合いをしておりまして、ハンドクリームも数多く試してきました。そのどれとも違うテクスチャーに、かなりびっくりしたのを覚えています。

わさび師さんの必須アイテム

なぜ私がこのハンドクリームを作り始めたのか。それは、伊豆のわさび師(わさび栽培のプロ)さんの一言からでした。

ある日、代々続くわさび農家のおじいちゃまとお話しをしていた時のこと。私が罠を始めたという話しをしてみると、頑張れよ~、と応援してくれながらぽつり。

「昔は猟師に猪の脂を貰ってたんだよ。わさび田で作業するには、アレが一番良かったんだよなぁ」

なんだかとっても興味深いので、お話しを掘り下げて聞いてみることに。わさび師さんたちは、季節を問わず湧き水の流れる中に手を入れて作業をしています。毎日、水に手を付けているので手荒れが治るスキもない状態だそう。しかし、無農薬栽培が基本の水耕わさびですから、手に余計な薬品を付けて作業するなんてもちろんご法度です。そんな中、猪脂は一切薬品を使っておらず、食べ物に触れても問題はありません。その上、体温では溶けるが水温では溶けないという性質であるため、水に手を付けている間に溶け出すこともなく手肌を薄いベールで包んでくれている様なものです。なるほど、昔ながらのわさび師さんたちが、厳しい冬場には猪脂を愛用していたというのも納得です。

おじいちゃまのお陰でハンドクリームを手作りするようになってから、万年手荒れに泣かされてきた私も今ではまったくの手荒れ知らず。万年うるつやハンドは今も健在です。さあ! 全国の手荒れに悩む皆さん、早速狩猟免許を取得しに行きましょう! これでアナタも手荒れ知らず!

カテゴリー: 狩りガール  
ライター:野田康代

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