街から始める鳥獣対策

ジビエはアクワイアード・テイスト(後天的味覚)だと思うその理由&イノシシの塩麹漬けロースを使ってチャーハン作っていきます

ジビエはアクワイアード・テイスト(後天的味覚)だと思うその理由&イノシシの塩麹漬けロースを使ってチャーハン作っていきます

※記事全体あくまで私の所感です。一般的に当てはまるかどうかは不明。

本文内容とはあまり関係ありませんが、掲載している写真群は、余り物でチャーハン作っていく過程です。イノシシのロース肉は先日の野田さんに作っていただいた塩麹漬けが美味しかったので真似してみました!

アクワイアード・テイストって何?
いきなり通電系とじんわり浸透系?
いきなり通電例:インドネシアンドリアン
じんわり浸透例:背伸びし続けたコーヒー10年
まとめ
ジビエには当たり外れが存在する

今年で猟師5年目@伊豆の島田です。もっぱら罠猟だけでのらりくらりしているだけなので、それほど経験もありませんが、冷凍庫にはイノシシ肉の各部位(以降シシ肉)が常にスタンバイしているくらいには実食しています。

そんな私が最近になり、あれ? コレ? とようやく気付いてきたんじゃないかなと思うことがありまして。それは、ジビエってアクワイアード・テイストなんじゃね? ということです。

イノシシロースを細切りする図
食材をサイコロ大に切っていきます

アクワイアード・テイストって何?

はい、そもそもアクワイアード・テイストってなんぞやと。それは後天的に獲得する味覚のことで、例えば、コーヒー、ビール、わさび、などですね。「あぁ、なるほど」と皆さんも経験あるかと思います。もちろん個人差があるので一概には言えませんが、子供の頃には好んで口にしなかったけど、繰り返し食べることでいつの間にか食べれるようになったモノ、の総称ですね。

私の人生において、自覚して獲得したアクワイアード・テイストは(モノによっては初めて食べても好きな方もいらっしゃると思いますが)、わさび、鮎の内臓、白子、内子、カニ味噌、ドリアン、納豆、チーズ、コーヒー、牡蠣、などがあります。

エリンギを切る図
エリンギ余ってたのでついでに

いきなり通電系とじんわり浸透系?

で、そのアクワイアード・テイストですが、持論として、いきなり通電系じんわり浸透系の2パターンがあると思っています。例としてドリアンとコーヒーを紹介しますね。

インドネシアンドリアン

私は高校3年生の時にインドネシアに留学をさせてもらっていて。その際、地元学校の友人からコレ食えコレ食えと、半分いたずらのようにドリアンを差し出されたことがあったんです。当然最初は吐き気を催すような臭いで、ひと口は食べてみたんですがその後味悪さから、アスタガ! ジャンガンムサククラタ! などふざけて逃げまくっていたんです。

が、とある日、ホストファミリー不在のなか、床にゴロンとみっつ、無造作に転がっていたドリアンから芳香臭が漂ってきて、なぜか、ふと、空腹も手伝ったのか、本当に好奇心で、自発的に手が伸びてしまったのです。当然無断です。今思うといろいろ狂気の沙汰ですね。

既にナタで切れ目が入っていたので、素手でメリメリと皮を剥がし、ぬっちゃりした実を口に運んだ瞬間。本当にその瞬間。”通電”に近い感覚で、「うぉあ! 我! 理解! タンバラギ!」と、その美味を理解し、なんと一瞬で3個全部平らげてしまったんです。その後も2日間くらい軽い興奮状態に陥り、街を練り歩いては道端のドリアン商人と交渉してました。それ以来ドリアンは好物のひとつとなりました。

ホストファミリーにはこっぴどく怒られましたが。

背伸びし続けたコーヒー10年

コーヒーは20代後半からずっと挑戦しつつ、は30代後半辺りからようやく飲めるようになりました。ずっと背伸びしてましたね。

はい、じんわり系は特にストーリーありません。地味な挑戦の繰り返しです。

チャーハン用の卵を溶く図
卵を溶きまして・・・

まとめ

このように、アクワイアード・テイストにはいきなり通電系とじんわり浸透系の2パターンがあると思っていて、ジビエに関しては、じんわり浸透系なのでは、と最近認識し始めています。

個人的な経験でいうと、豚肉、鶏肉、牛肉、は物心付く前から美味しかった記憶があるので、そもそもアクワイアード・テイストに該当しません。しかしシシ肉は、表現するならば、オナラと尿素を乗算(失礼)して3倍希釈したような独特な香りがあり、私はずっとそれらを消すように黒胡椒、タマネギ、生姜、などを使用して調理してきました。

ところが、先日片桐さんの料亭竹染、イタリアン・スパニッシュ経験者の野田さん、の料理を経験し感じたのは、お二方ともこのクセを消そうとせず、むしろ表に押し出すように調理するんです。そしてそれらが美味しいことを気付かせてくれたんです。アレ? ジビエってこういうこと?

チャーハン用に溶き卵をフライパンに注ぐ図
食材とともに炒めていく!

つまり、はじめてのジビエ経験で、うぁ苦手! だったとしても、それが決定的に自分に合わない、という食物の類ではないということです。実は適合食材なのかもしれない。さらには、ジビエはその特性からして、そもそも当たり外れのある食材だということ。その性質も少し説明します。

ジビエには当たり外れが存在する

私が経験したなかでは、性別、食性、年齢、止め刺しの方法、罠にかかってからの経過時間、季節、解体までの所要時間、解体してから冷蔵への迅速さ、何日冷蔵熟成させたか、個体差、でまったく味が変わることを確認しています。

家畜は上記をほぼ固定することが可能で、品種のみの味の違いを賞味することが可能ですが、ジビエはそもそもそれらを固定できません。なので余談、地域による味の違い、などはほぼ特定できないので意味がないと思っています。

チャーハンを炒める図
お米と炒めてます!

特に、止め刺しから解体、冷蔵へのスピード、が大きな要素と思われ、この工程が雑だといわゆる”血なまぐさい肉”になる可能性が高いです。

つまり、レストランなど飲食業でジビエを食べる場合でも、バイヤーやシェフの目利きフィルターが存在するとはいえ、それらも当然一次生産者である猟師さんの腕によるので、味が安定しません

イノシシチャーハン完成の図
刻みネギそえて完成!

つまりジビエは、アクワイアード・テイストであると同時に、当たり外れのある食材、ということですね。要するに「長い目で挑戦して舌を肥えさせないと楽しめない」、いい意味で言えば、生涯を通じての趣味になる。悪く言えば、トライ初年度は入り口にも立てないかもしれないジャンル、ということです。

イノシシチャーハンいってらっしゃいの図
いってらっしゃい(ドヤァ

少しでも貴方の人生のスパイスになりましたら幸いです。それではまた!

イノシシチャーハンの旨さを噛みしめるアニメーション
味わいに自画自賛の図

カテゴリー: ジビエグルメ  
ライター:島田寿朗

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